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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第46章 “計画された犠牲”


ライヴィスは、現実からプログラミングして、風を起こさせたらしい。

視界がぐるぐる回る。

”ロヴィーノのときのように“、なにか巨大なエネルギーが体じゅうを駆け巡っていた。

頬に冷たい雫が叩きつける。

びゅうびゅう、ゴロゴロという嵐の音、それからカンカン、という金属を踏む音が耳を打つ。

誰かに抱きかかえられ、電波塔の階段を駆け上がっているらしい。

――見つけた。

頂上、中央の支柱付近に、何の変哲もないパソコンが一台。

誰かがわざわざ用意しておいたように、馬鹿みたいに、ただそこに置かれていた。

ヨンスがすぐにキーボードを打ち始める。

暴走するエネルギーは、限界に達しようとしていた。

「ヨン、ス……!」

私の“クロックアップ”は、これ以上はもうもたない。

息も絶え絶えに、パスワードは、とヨンスに問おうとして、声が詰まる。

ヨンスは、パソコンの前で、凍り付いたように固まっていた。

「……最後の一桁が……」

震える指先と、嗚咽が答えだった。

ディスプレイは、パスワード入力をあと一文字残して止まっている。

右上に表示されたカウントは「01」。

――これに失敗したらアクセスすらできなくなるんだろうと、直感的に理解した。

「……そん、な」

目の前が真っ暗になる。

黒い靄が迫る。

台風の黒い雲が、私たちを飲みこむためにここまで降りてきたみたいだった。

いや、違う、この靄は――“香くん”だ。

黒い靄に全身を覆われて、光も、生気もない虚ろな瞳に、無理矢理殺意をねじ込まれている。

「Game Over」

死刑宣告にはあまりにも美しい発音が、風に紛れて耳をすり抜ける。

振りかぶった腕は鋭利なナイフに変貌し、それが振り下ろされる――
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