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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第46章 “計画された犠牲”


「セーフハウスは靄が入ってこられないんじゃなかったの!?」

『あれは室内で発生していました』

「室内!?」

『……僕、わかりました。あれはおそらく“排熱”の一種です』

エドの問いに答えるライヴィスは、いやに冷静で、少し怒っていた。

無茶ばかりするエドとトーリスに怒ってるのだろう。

「まだパスワードがわからないんだぜ!?」

息も絶え絶えに走りながら、ヨンスが叫ぶ。

とうとう電波塔のすぐそばまでついてしまった。

そこらじゅうで無数の黒い靄がうごめいている。

こんなにいては、螺旋階段を駆け上がり、中央コンピューターにたどり着く前に、黒い靄に襲われてしまう――

『僕が時間を稼ぎます』

そう言ったライヴィスの声には、温度がなかった。

なにをするつもり、と聞こうとして、見えない大きな手で体が吹き飛ばされそうになる。

突風だ。

それも、特大の。

「わわっ!?」

「なんなんだぜ!?」

『僕だけ蚊帳の外なんて嫌です』

びゅううといううるさい風切り音の中でも、ライヴィスの声はかき消されていなかった。

かわりに、黒い靄が風によって、電波塔から遠ざけられるように吹き飛ばされていった。

『――ッ、3分、もち、ません……っ! パスワードを見つけて、入力してください!!』
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