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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第36章 --.信号:符号間干渉


画面に目が釘づけになる。

『ニュースナインです』

アナウンスが、耳の奥でリフレインする。

思い出す。
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
アナウンスを聞いてから、トリップしたことを。

「――っ!?」

同じ日の内に戻って、同じ時刻のアナウンスを2度聞くことはありえない。

21時のアナウンスは、1日1回だからだ。

21時のアナウンスを聞いた後トリップしたのだから、戻ってから聞きうるのは、21時以降の22時や23時のアナウンスだ。

もし、ありえるパターンを考えるとすれば――

アナウンスを聞いた21時後にトリップし、21時前に戻ってきて、2度目のアナウンスを聞く。

このパターンだけ。
    、、、、、、、、、
つまり、過去へ戻らなければ、2度21時のアナウンスを聞くことはありえない。

「過去に……戻ってきた……?」

自分で言った言葉に、現実味がない。

表示が21:01に変わる。

テレビの音が、やけに遠くから聞こえた。

『公子に危険が及ぶ可能性がある、ってことだ』

いつかの図書館で、雨の音とともに聞いた言葉が脳裏に甦る。

進み続ける時計の秒針を、私はただ見ていることしかできなかった。
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