第36章 --.信号:符号間干渉
「――だから、頼りにしてるぜ」
「……はい!」
そんなやりとり、だったろうか。
気づけば、こうして自分の部屋に戻ってきていた。
てっきりもう一度ゴーストタウンへ行って、なにか事態を進展させてから戻る――そう考えていたが。
「今回の戻るトリガーってなんだったの……?」
考えつつ、部屋のカーテンを少しあける。
外はトリップ前と同様、夜だった。
時計を見ると、日付は同じで、時刻も20時59分とあまり変わりない気がする。
(正確な時刻は覚えてない)
つまり、向こうに約1週間いたが、こちらでは1日も経っていなかった。
相変わらずわけがわからない。
「一体どういう法則で――」
『ニュースナインです』
テレビから、アナウンサーの声が流れた。
21:00という表示が画面に現れる。
そういえばつけっぱなしだったっけ……
「……――あれ?」
小さな違和感――デジャヴが、頭に引っかかった。