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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第34章 昏睡による覚醒より


考えられるのは3つ。

1.既にここにいた誰かが、30分前、妨害機能を働かせた。

2.30分前に来た誰かが、妨害機能を働かせた。

3.その他。第三者、あるいはまったく別のなにか。

1は、フェリちゃん、アントーニョ、フランシス、ギル。

2は、菊と、私だけ。

3の第三者は医師が否定した。

ロヴィーノの病室はVIP用だからだ。

1の面々は首を振り、それらしきものは持っていないと言った。

無論、私も菊も同じだ。

「おかしいですね……脳波計によると、今もノイズは発生中なのですが……」

医師はこめかみをおさえ、今にも頭を抱えそうな顔をしている。

そもそも、ここは病院だ。

携帯はまだしも、妨害機器なんて、彼らが故意に持ってくるはずがない。

誰もが、ロヴィーノの身を案じているのだから(そして親分に真面目に殺されかねない)。

室内に静寂が舞い戻る。

「……公子自身なんじゃないか?」

それを破ったのはロヴィーノだった。

突然の指名にびくっとなる。

「わ、私自身?」

「わかったんだよ、多分、公子の存在自体が、あいつの妙なマネの影響をぶち壊してるんじゃないか?」

「え、えぇと、どういうことやロヴィ? 親分にもわかるように説明してくれ!」

「あぁ、確証がないから、言ってなかったことがあるんだけどよ――」

そう言ってロヴィーノは、そっくりさんに“撃たれた”話をした。

彼の話は大体こうだ。

偽子分が“撃った”のは、遅効性の毒のようなものである。

その毒が作用し、x波が現れ、昏睡に陥ってしまう。

しかし、私という存在もとい物質が、その毒、x波を無効化する。

なので、30分前、ロヴィーノは覚醒することができた。めでたしめでたし。

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