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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第34章 昏睡による覚醒より


「急に目を覚ましたんや! 公子ちゃんたちが来る30分くらい前に」

笑い泣きしている親分が、ロヴィを力いっぱい抱きしめながら言った。

30分前か。

私たちが出発したのは、1時間半ほど前だった。

私は7日半“こちら”にとどまっていて、ロヴィが病院へ行ったのは、ゴーストタウンから帰還した翌日。

話によると、ロヴィは病院へ行ってすぐ、眠りについたらしい。

つまり、彼は6日間意識を失っていた。

そして今日、目が覚めたというわけだ。

「昏睡状態と聞いて、私、本当に心臓が口から出そうでした」

戦々恐々とした私の声音に、ロヴィは鼻で笑う。

「ったく、どいつもこいつも心配しすぎなんだよコノヤロー」

だがその憎まれ口も、どこか申し訳なさと、照れくささをはらんでいた。

それは多分、強がりも含んでいる。
、、、、、、、
思い当たることがある彼は、本当は、誰よりも不安なはずだ。

今、わかった。

私が、この回のトリップで、なにをやり残しているのかが。

そしてそのために、もう一度あそこに――ゴーストタウンに行かねばならないことが。

そんな予感を覚えたとき、

「……皆さんの中に、電波妨害機器をお持ちの方はいますか?」

白衣の男が、静かに口を開いた。
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