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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第34章 昏睡による覚醒より






◇◆◇◆◇◆◇◆

「ロヴィーノッ!!」

扉を乱暴に開け放ち、病室に飛びこむ。

息荒いまま、室内を目に映す。

そこには、ベッドに横たわり力なく目を閉じたロヴィーノが――

「……あ、あら?」

「病院なんだから静かにしろコノヤロー」

――いなかった。

全然いなかった。目は三角に、私と菊へ非難がましく注がれていた。

「も、申し訳ありません……あ、こちらお見舞いのトマトゼリーです」

「あぁ本田――ってお前もトマトかよ! りんごゼリーとかでいいだろ! トマトはもういいよ!」

「も、申し訳ありません……」

平謝りする菊。

確かに、テーブルや棚には、トマト、ドライトマト、トマトジュース、トマトのお菓子、トマトケチャップ(誰だよバカか)、花瓶にはプチトマトの実った茎(ここまでくると意味がわからない)――

などなど、そうそうたるトマト製品が並んでいた。

各国の「とりあえずトマト関係なら大丈夫っしょ」というお見舞い品チョイス事情がうかがえる。

これだけトマト責めにあったら、もうトマトが見たくなくなるかもしれない。

今度はりんごゼリーとかぶどうゼリーにしよう。





…………いや、ちがうだろ。私はなにしに来たんだ。奴らの見舞品チョイスにツッコミに来たわけじゃない。

「だ、だって……昏睡状態って――」
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