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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第33章 閉じ始める序説まで


「なにか理由があって話せなかったんですね?」

「……」

ロヴィーノは唇を噛みしめている。

「待ちます、話せるようになるまで。まだ帰ってきたばかりですし、仕方ないです。自分を責めないでください」

「……お前らが、そうやって、甘えさせるから……」

「だってみんな、ロヴィーノが大切なんです」

「…………」

彼の顔が苦悶に歪む。

その目でなにを見てきたのだろうか。

ロヴィーノが語った、『青い髪の、女みたいに綺麗なやつ』――

つまり“イオン”が関わっているのは、ほぼ間違いない。

それ以外は、ただ謎が増えただけだ。

私は――収穫と呼べるものを、持って帰ってこれたのだろうか?

その自問に、頷くことはできなかった。

「ひとつ、教えてくれ」

ロヴィーノが、懇願にも似た口調で尋ねる。

私をまっすぐ貫く瞳には、探るような疑いと、純粋な困惑が混在していた。

「どうしてお前は、そうまでして協力する?」
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