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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第33章 閉じ始める序説まで


その問いは、全く予想外とも言えるものだった。

それでいて、至極当然で、幾度も自問したものでもあった。

理屈はいろいろ捏ねてきた。

けれど、しっくりくる答えはまだ見つかっていない。

「なぜかはわかりません。だけど……そうしたい、“そうすべき”だと思ったから」

というか、

「皆さんの力になりたいって思ったから、じゃダメですか?」

そう言うと、ロヴィーノが「は?」と言いたげに、ポカーンと眉をしかめているのに気づいた。

鳩が豆鉄砲を食らうと思ったら、ラスクが落ちてきた、みたいな顔だった。ラスクはおいしいけども。

私の表情があまりに単純で、率直だったのか。

ロヴィーノは言葉が見つからないでいる。

ややあって、疲れきったようなため息が、彼の口から吐き出された。

「あ~わけわかんね」

「えぇっ!?」

その表情筋は脱力しきっており、思考を放棄したようにも見える。

私そんなおかしなことを言ったか!?

「それは一体どういう意味で何がわからないのか説明――って」

食ってかかろうとしたが、時すでに遅し。

ロヴィーノの目蓋は閉じられていた。

「俺は寝る」という意思表示なのか、それとも疲れきって寝入ってしまったのか。

「――……」

けれど、二人が穏やかに目を閉じている光景に――どんな言葉もむだな気がした。

今は、ただこの平和な時間が続けばいい。

自分の目蓋が重くなってくるのを感じながら、そう思った。
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