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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第33章 閉じ始める序説まで


じゃれあいが急に静かになる。

「……おい、馬鹿弟」

かと思うと、ロヴィが渋すぎる緑茶を飲んだみたいに、顔を苦く歪めた。

その肩には、こてっと乗った、フェリちゃんの寝顔。

安心しきったように、無防備に眠りこけている。

小さく微笑んでいるようにも見える口元からは、すやすやという穏やかな寝息がもれていた。

「あはは、ほっとしちゃったんですね」

「ち、ちくしょー」

起こさないのね、二人ともso cute。

にこにこと二人を眺めていると、

「……――嘘なんだ」

ふと、ロヴィーノが口をひらいた。

思い詰めた、曇った表情をしている。

「本当は覚えてるのに、記憶が曖昧だとか、嘘ついた」

「え?」

「全部じゃない、記憶はほとんど曖昧だ……けど、その中でも覚えてることがある――なのに言わなかった――嘘をついた……お前に言っておかなきゃいけないのかもしれない」

「お、落ち着いてください」

声音は低く、かすれていた。

顔を覆うように頭に手をやり、ぶつぶつと呟く姿は異様だ。

ギルがやれば中二病なポーズも、ロヴィがやっているととてもじゃないが笑えない。

忌まわしい記憶を思い浮かべているのか。
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