第33章 閉じ始める序説まで
おとなしくしていることに、我慢ならなくなった子どものようで。
フランシス、菊、ルート……などの視線が、アーサーに鋭く突き刺さる。
「な、なんだよ!」
「はあ~しょうがないねぇ、お兄さんがなにか作ってあげる」
「あっ、私も手伝います」
憤慨するもスルーされるアーサー。
フランシスはキッチンに向かい、菊が後を追っていく。
アルとアーサーは、いつものように不毛な言い合い(アーサーの一方通行ともいう)を始めていた。
「お前らは少し休んだ方がいい」
神妙な顔をして、ルートが私たちを見回した。
こっちのセリフじゃ、と思いかけるが、彼の口調は有無を言わせないものだった。
場所の用意をしてくる、と立ちあがり、ルートが部屋を出ていく。
「兄ちゃん一緒に寝よ~!」
「おい、ひっつくな!」
兄弟はじゃれあっているし、なんだかぽつんと残された気分だ。
まぁいい……眺めることに専念できるからな!
と、思い出したように眠気が襲ってくる。
四肢がだるい。
一日じゅう歩き回ったような重さだ。
一見元気に見えるアーサーも、いつもと変わらないように見えるフェリちゃん、ロヴィも、同じ、いやそれ以上かもしれない。
……とにかく、いろんなことが起きすぎた。