第33章 閉じ始める序説まで
「え、えーと……」
「ん? なんでも聞けよ」
え、えーと、どこからつっこめばいいんですかねぇ?
「ば……爆発物なんて持ってたんですね……」
「いや、あれはこの杖を一振りすると――」
「あ、もういいです……」
即時にアーサーを遮り、この話題を持ち出した自分を呪った。
コホンという咳払いが聞こえる。
気を取り直すように、ルートがしたものだった。
「つまり、向こうとこちらでは、時間の流れ方が違うのだな?」
「はい。早かったり、遅かったりしますが。今までは向こうの時間がこちらではカウントされていませんでした。ですが今回は――」
「向こうでは半日、もしくは一日程度だったのに、こちらでは三日間だった、と……」
ルートの思案気な声に頷く。
私に同行者がいるか否かが違いなのだろうか?
その同行者の有無も、どういう仕組みなのか不明だ。
そういえば、アントーニョ、ロヴィーノ、私で行ったときはどうだったっけ?
帰った時の精神状態が二人とも糸が切れる寸前だったから、確認していなかった。
親分が起きたら聞いてみようか。