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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第33章 閉じ始める序説まで


“奴ら”は意識を奪うだけ、それ以上の危害を加えてはこない。

ふつう、邪魔者であろうアーサーたちを排除するなら、殺すのが一番手っ取り早い。

しかし、ひたすら気絶させられるだけで――命まで奪われることはなかった。

「生かしたままの方がずっとめんどくせぇだろ。つまり俺らを殺そうとは思ってないんだ」

「……たしかに、そうかも。ちょっとおかしいよね」

「で、だ」

アーサーが急に顔を近づけたため、フェリシアーノがひぃ! と肩を飛び上がらせる。

「それを逆手にとって――……爆発させる」

「……は?」

アーサーの提案は以下のようだった。

爆音を鳴らし、わざと自分たちの居場所を知らせる。

それによって奴らをおびき寄せ、また私とロヴィーノにも居場所を知らせる。

ひたすら逃げる、撒く、そして――尾行する。

「…………は?」

「なんだよその死んで三日水槽に放置された魚みたいな目は!! た……たぶん執拗に追ってくるようなことはしねぇし――」

「超追ってきたらどうするんだよぉ!!」

「追ってこねぇって! 俺を信じろ! お前の逃げ足は高く買ってるんだ! なんならおやつにこれを食って――」

「やだよおおおおおおおおお! スコーンまずいよおおおおおおぉぉおおぉぉぉおおおお!!」

「て、てんめぇ~~!!」

アーサーは泣きそうになった。



~回想終了~
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