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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第33章 閉じ始める序説まで


幾重にも折り重なった悪夢から、やっと覚めたような。

磨いたばかりのエメラルドを思わせる瞳は、そんな表情を浮かべていた。

口は半開きで、一切の言葉を失っている。

ロヴィーノがなにかを言おうとして、う゛、と言い淀んだ。

次の瞬間、

「ぶはっ」

強い衝撃、それと熱。

柔らかい髪の毛が頬をくすぐり、アントーニョに飛びかかられたことに気づいた。

端から私、フェリちゃん、ロヴィーノ、アーサー、この4人に、アントーニョはまとめて抱きついたのだ。

とはいっても、アーサーは横向きだったため、首に関節技をキメられているように見えなくもない。
(フランシスは、アーサーがよろけた拍子にぶつかられそうだったが、スッと華麗に避けていた)

「……ア……アントーニョ」

ロヴィーノが呼んだ肩は、小刻みに震えていた。

何を言うこともなく、ただそうしていた。

ロヴィーノがまたもや困ったように眉を下げる。

親分の稀に見る狼狽加減と、言うべき言葉に迷っているらしい。

「し……心配、かけて、わわ悪かっ――」

「よかったあああああぁぁぁぁああああああ!!」
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