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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第32章 回帰と代入と


彼の意図をとらえかねていると、ドゴッ、という鈍い殴打音がして、全身を締めつけていた拘束から解き放たれると同時に、

「わわわっ!?」

足が空中に舞い上がった。

と思うと、風景が高速で後ろに流れていく。

嫌な予感が……

「掴まってろコノヤロー!」

怒鳴るロヴィーノは至近距離、少し見上げる視線の先。

まさしく――お姫様だっこをされていた(通算二回目)。

「お、お重いですよ! 自分で走ります!!」

「なめんなちくしょー、お、重くな……んか……ねぇし……っ」

乱れる呼吸と、隠しきれない苦しげな表情が全てを物語っていた。

うん……いやルートがムキムキなだけで……うん……痩せよう……。

そんな結論に泣かされながら、さっきまでアーサー(偽)に捕らえられていた場所を見る。

そこには脇腹をおさえ、ふらついているアーサー(偽)の姿があった。

それを置き去りにし、私たちを追走しているのはフェリちゃん。

右手にあるのは、ルートに貸されたゴツい銃。

それでアーサー(偽)の横っ腹をどつき、一瞬の隙をついてロヴィーノが私を担ぎ上げ、先導するアーサー(こちらは本物)に従い、テレポーテーション地点めがけ走っている――

といった具合か。
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