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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第32章 回帰と代入と


「ムカつく顔でキメェことすんなあああああ!」

(それ自分のカオじゃ……)

私とロヴィーノは思った。

しかし空気を読み、言いはしなかった。

「おっかし~自分の顔じゃん!」

「うっせー!!」

普段の笑顔に残虐性を足したような、フェリちゃんの笑み。

対するは、普段のヤンキーさに、見る者の憐れを誘うような、なんとなく可哀想な、アーサーの顔。

(なんというA(あえて)K(空気)Y(読まない)……)

私とロヴィーノはそう思ったのだった。

「……ん?」

アーサー(偽)が、私の手になにかを握らせた。

頭に銃を突きつけられていることなど、一向に気にしていないように。

手のひらを見ると、小さな黒いチップが乗っていた。

microSD? SIMカード? なんだこれ?

表面をよく見てみるが、思い当たるブツとは合致しない。

疑問とともに彼の顔を見ると、

「“double edged sword”」

「……?」

アーサー(偽)は一言、そう言った。

「彼らを救いたいなら、それを使え」

続けるその瞳には、どこか迷いがあった。
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