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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第32章 回帰と代入と


体の中心から、高温のエネルギーがとめどなく溢れてくる。

外に放出しなければ、体内で爆発してしまいそうだ。

手足の操作が覚束ない。

滑稽なくらいぎこちない動作で立ち上がるが、どこかの回線が切れたロボットのように、ガタガタ不規則に体が揺れる。

ロヴィーノがなにか言った気がした。

けれど私は、衝動のままに腕を振って、体中を暴れまわる熱をぶちまけた。

――守られてばかりじゃだめだ

――だから失ってしまったんだ

後方に倒れていた彼の体が、凄まじい強風に煽られたように、さらに後方に吹き飛ぶ。

そのまま雑巾のように、音を立てて壁に叩きつけられた。

彼の口の端を赤いものが伝う。
、、
それを目にしても、一向に衝動は収まらない。

暴走するエネルギーがあとからあとから噴き出してくる。

自分の口から低い唸り声がもれていた。

破壊音とともに、窓枠がひしゃげ、ガラスがひび割れる。

陥没する地面が揺れる。

建物自体がミシミシと悲鳴をあげていた。

自分が撒き散らしているエネルギーのせいなのか、そうでないのかわからない。

それを考える力すら抜け落ちていく――

「もうやめろ!」
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