• テキストサイズ

【ヘタリア】周波数0325【APH】

第31章 He want not to stay,


「そのまま気を失って、気がつくとここにいた。やられた、って思ったんだが、どこも血出てねぇし、腹はあんま空いてねーし。俺の感覚じゃ、気を失ってから半日くらいだ」

半日――ほぼ私たちと同じだ。

このゴーストタウンが、身体にどういった影響を及ぼすかはわからない。

それを疑うと際限もない。

なのでひとまず彼の感覚を信じるとすると、益々あの血痕は誰のものだったのか、わけがわからなくなる。

「ちょっと気になったのが、銃声が二つ聞こえた気がしたんだよ」

「気を失う前、ですか?」

「そう。俺と相手がほぼ同時に撃って、俺が気を失う直前、もう一発聞こえた……ような気がすんだ」

「んー……」

考えあぐねていると、唐突に地面が波打った。

と思うと爆発音が耳をつんざき、ミシミシと建物が軋む。

衝撃が私たちの立っている地面まで伝わり、揺れを起こしたらしい。

爆発場所が近いということだ。

考えるのはあとか――とにかく、どうにかしてここから逃げ出さねば!

立ち上がろうとすると、再び地面がぐらつく。

「あぶねーからまだ立つな!」

ロヴィーノの注意は遅かった。

まるで地面がバウンドするような、一際強い衝撃が起こり、私はバランスを失って前に倒れこむ。

キン!

バタン!
/ 378ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp