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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第31章 He want not to stay,


「なにがあったんですか?」

はやる気持ちを抑え、ロヴィーノに尋ねる。

「それが、俺もよく覚えてないんだ。すごく気分が悪くて、吐きそうになりながら角を曲がって、そこで変な奴に会ったところまでは覚えてる」

「変な奴?」

「青い髪の、女みたいに綺麗なやつ」

少し、ホッとする。

名前を言わないということは、知らない人物、つまり世界の面々の誰かではないということだ。

「なにか会話をして――今思うと、あのときの俺はおかしかったんだと思うが……」

ロヴィーノは言いよどむ。

彼のいう“誰か”について考えていると、ある人物が浮かんできた。
 、、、、、、、、、
「撃ったし、撃たれた」

「もしやその人物は……って、え!?」

言いかけ、言葉を失う。

撃ったし撃たれた?

待てよ、ロヴィーノが持っていたのは、麻酔銃のはず。

出血させる力はないだろう。

じゃあ必然的に、血痕の持ち主は、“撃たれた”ロヴィーノとなる。

しかし、彼はいたって健康そのものだ。

あれほどの出血が、こうもすぐ治るのか? まさか。

相手も麻酔銃だったのか?

じゃあ本当にあの血痕はなんだったんだ……?
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