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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第29章 for dear my imaginary blank


「なっ、フェリシアーノ!?」

驚愕に目を見開くルートの視線は、フェリちゃんをとらえていた。

菊も不安げに、けれどどこか「止めても無駄だな」と諦めた目でフェリちゃんを見る。

彼は静かな表情を浮かべて、落ち着いた声で言った。
   、、、、
「菊はやることがあるし、ルートはそれを手伝わなきゃならない」

フェリちゃんは、フランシスとギルに目を向ける。

「二人には、アントーニョ兄ちゃんをみててほしい」

二人は真剣な顔で頷いた。

憔悴したアントーニョの肩は、物も言わず力をなくしていた。

「あとは俺しかいないよ」

「しかしなにもお前が同行する理由なんて――」

心配からなのか、ルートは食い下がる。

そんな彼に、フェリちゃんは小さく微笑んだ。

「ねぇルート、"兄ちゃん"を助けるのに理由が必要?」

「……っ」

ルートは、言おうとしていた全ての言葉を押し込められたように、声を詰まらせた。
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