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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第29章 for dear my imaginary blank


菊がアーサーに尋ねる。

「電車の快速と各駅停車のようなものですか?」

アーサーは一瞬キョトンしたのち、ためらいがちに頷いた。

「ゴーストタウンが寄り道なのか、もともと知らない内に経由しているものかはわからない。
もともと経由するものだとすると、
公子がいなければ快速となり、ゴーストタウンを通りすぎる。
逆に公子がいれば各駅停車となり、ゴーストタウンにとまる」

テレポートを電車の運行に例えているようだ。

“私”という要素が、快速を各駅停車にする。

よって、本来は通りすぎる駅――ゴーストタウンにとまる。

……ということだろうか?

だが、おかしな点が二つある。

なぜ、今まで私だけがゴーストタウンを認識できていたのか?

なぜ、今回はアントーニョとロヴィーノも認識できたのか?

「今ここで、テレポートの仕組みを論じるつもりはない。
つまり言いたいことはだ」

アーサーが机に集まったみんなを見回して、その視線の終着点を私に据えた。

「ロヴィーノを助けにゴーストタウンへ行くためには、公子の同行が必須ってことだ」
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