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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第28章 on the planned system


トマトがふんだんに使われているのか、全体がなんとなく、赤く、つやつやしている。

バジルや名前のわからないハーブも散らされていて、いい香りを漂わせていた。

白いのはモッツァレラチーズだろうか。

パスタに絡まって、見ているだけでお腹が鳴りそうだ。

盛られた食器もお洒落だ。

欧風の雑貨屋さんで見たことのある、上品な模様があしらわれた白い食器。

普段の私なら「シャレオツー!」とか笑っているところだが、そんな真似、ここではできない。

「うまそうやろ? ロヴィが作ったんやで!」

「本当ですか!? すっごい美味しそうです!」

はしゃぐ私と親分を、苦い顔で睨むロヴィーノ。

頬が赤いですぜ。

「食べてもいいですか?」

尋ねると、一拍置いて、「フンッ、食えばいいだろ」と言わんばかりな顔で頷いた。

いただきますと手を合わせてから(親分もノリノリでやってくれた)、私とアントーニョはフォークにパスタを絡め、口に運ぶ。

新鮮なトマトと、爽やかな香味のハーブと、ふにゃふにゃなチーズと、“ザ・アルデンテ”な麺が織りなす壮大なハーモニー……――って、

「「美味しい!!」」

私とアントーニョの声が、見事にデュエットした。

ロヴィーノのしかめられていた眉が、少しやわらぐ。

本当に美味しい。

都会のお洒落なイタリアンと同じ、いや、全くそれ以上の美味しさだ。

思わず支払いのための財布を探しそうになった。

美味しいのはパスタだけでなく、言わずもがな照れを隠しているロヴィーノもだ。
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