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【とある主従関係の末路】

第1章 登場人物設定❊


『』は貴方を指します


『ふう……あと半分か…今回はかなり多いなぁ……』

執務室の机と向い合い、目の前の書類を整理しながら独り言と溜息を漏らす。

ずっとペンを握っていた印に、指に立派なペンダコが出来ていた。仕事に集中するあまり、水分補給さえしていなく、喉がカラカラだった。
『少し休もう………』


重い腰を上げ立ち上がる。
とりあえず自室に戻ろうと思い、執務室の扉を開け廊下へ出た。今日はかなり天候が悪い。空は曇り、いつもなら眩いくらいの日差しはこれっぽっちも見えなかった。

肌寒く、何時もより速めに廊下を歩いていると。



「リョウ。」

聞き覚えのある声に後ろから呼び止められた。

透き通って、少し高めの優しい声。
我が主、ジャーファルさんだった。



「ずっと探していたんですよ。…何処に居たんですか?」

私を探していたのか。申し訳無い事をしてしまった………


『えぇっと……し、仕事をしていました…』

彼は驚いたように目を見開いた。

「ずっと仕事で執務室に籠っていたんですか!?
ダメじゃないですか…疲れたでしょう?一緒に部屋で休憩しましょう^^」

『!?だ、ダメですよ!私はあくまでも貴方の従者です、主の時間を裂く訳には…!!』


「では……これは命令と、言う事で良いですよね?」

気が付けば私の体はジャーファルさんに姫抱きされ、彼の自室へと向かっていた。
こんな細腕の何処にこれほどの筋力が備わっているのだろうか………

命令に逆らう事は出来ず、私はただ彼の行動に身を任せるしかなかった。
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