第3章 おとうとびお 部活
飛雄は。
別に身内びいきするわけでもなく、凄いセッターだけれど。
進化をやめないその姿勢が
英たちにぴったりな、いわゆるスパイカーを生かす
トスでは無くなっていった。
あの頃の飛雄は少し荒れてた。
私も何も言えなくて。
だから、
いま笑ってプレイできてるのが凄く嬉しい。
「飛雄!トスずれてんぞ。…日向、ジャンプの最高が下がってきてる!タメて飛べ!」
「「ウッス」」
そうしてまた、飛雄はトスをあげ、
スパイカーがそれを打つ。
何度見ても何度やってても
飛雄の顔はイキイキとしていた。
「…すごいね、指導もしちゃうんだ。」
潔子が私に話しかけてくる。
「あははは…クセクセ。チビの時から飛雄にダメ出ししてたの。」
「ふぅーん?そーなんだ。」
バレー馬鹿でカレーが大好きな
本当に変な弟だけど、
いつまでも成長を見守ってゆきたい。