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深海のリトルクライ(アルスマグナ/九瓏ケント)

第13章 SPECIAL STORY


ちらと見たアキラは唖然としているし、先生もぽかん顔。

「つまり…」
泉が珍しく頭を抱える。
「榊原財閥の抱える国内企業が、高額の投資額を提示してきたから、急きょ契約会社が変更になって、国外進出は見送りになった…と…」
「そ、そんな感じです…」

暫くの沈黙を破ったのは、先生だった。

「っ…ふふ。ははは!」
突然大笑いをした後、先生はタツキ先輩の頭をわしゃわしゃと撫でた
「ほーんと、やることが違うなお前は!」
「だってえ、可愛い後輩ちゃんが遠くに行っちゃうなんて寂しいんだもん~」
アキラはぱっと立ち上がり、立てかけてあったお見送り会のボードを外し、近くにあった油性ペンで何かを書き足した。

「ほい!」

お見送り会の文字が打消されたボードには、

『 ようこそ!アルスマグナへ!』

と彼の字で書かれていて

「ああ~!いいですね!」
朴がきらきらとした目でアキラに駆け寄る
「マネージャー、でもしてもらいますかね?」
泉も心なしか、ちょっぴり楽しそう。
「そうしよう!せっかく引き留めたんだから!もーっとたのしい時間を過ごしてもらわなくちゃ!」
いつの間にか私の後ろにいたタツキ先輩にわっと抱き付かれる。
「はいはい離れて~」
先生がぺっとタツキ先輩を引きはがすと、ごほん、とわざとらしい堰をした。


「、ようこそ、アルスマグナへ。
 これで、俺たちみんな…名実ともに、『仲間』だな。」


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