第13章 SPECIAL STORY
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放課後に、ダンス部の部室に行ったら、そこはとても綺麗に飾られていて。
向かいの窓にはご丁寧にお見送り会!と書かれたボードが一枚立てかけられていた。
「あ!ちゃん!」
タツキ先輩の一声を皮切りに、みんなが私を招き入れてくれた。
「どうぞ、座ってください。」
泉に誘導され、一番奥の…いわゆる"お誕生日席"に座る。
ケーキやスナック菓子、ジュースなんかがテーブルにあふれんばかりに並べてあって。
私は少し申し訳ない気持ちになる。
ひとしきりみんなで騒いだ後、
「今日で、ここに通うのも最後なんですね~。」
朴が泣きまねをしながら、私の紙コップにコーラを注いだ。
「あ~…う、うん」
「も今日で転校かぁ、英語ぺらっぺらになんだろうな。」
なんだかんだ頭良いし。と言いながらジュースを飲むアキラ。
「ま、ちゃんなら大丈夫っしょ!」
先生はかっかと笑ってポテトチップスを一口。
「あーのー、ですね。」
私は恐る恐る右手を上げ、向かいに座るタツキ先輩を見た。
先輩は相変わらず悪戯そうに笑って、エクレアをほおばる。
「じ、実は…」