第11章 ひとつの恋が終わる時
夏休みももうすぐ終わり。
アキラとの本当のお付き合いは、ほんの少しむずがゆさは残るものの、心地いいものだった。
夏の風のような、柔らかさが、心地いい。そんな感じ。
結局、本当に俺のこと好きになるまでは何もしない!と彼なりの決意があるらしく、まだ手を繋ぐ以上のことはしていないんだけど。(といっても、正式に付き合ってまだ2、3日…?かな)
(…アキラとちゅー、か)
想像がつかないな、と冷静に思いながら、私は母から届いた段ボールを開ける。
そうめんやらレトルトやら、毎度ありがたいなと思いながらその箱の中身を確認していると、いつもの母親からの手紙。
(アキラと添い寝とかも今後…!?…うーん)
好きだけど、その辺ってなんか、むずがゆいな〜。なんて幸せな悩みを考えつつ、その手紙を読んでいた。
のだが。
「…は?」
最初は、母らしい綺麗な字を懐かしむようにぼんやり見つめていたのだが、どうやら、そんな事をしている場合ではないみたいで。
「…もしもし。」
私は急いで母に電話を入れた。