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深海のリトルクライ(アルスマグナ/九瓏ケント)

第10章 赤い一番星は



期末テストごろから付き合った私とアキラは、今日できめていた一ヶ月を迎える事となった。

(答え、出さなきゃ)

いつも通りカフェでだらだらと喋っていた時、アキラの目が少し泳いでいたのは、多分勘違いじゃなくて。携帯の右上に映る日付に時間の流れを…無常さを感じる。

(何も言わずに帰っちゃったけど、)

電話、しようかな。
携帯を取り出し、カメラロールをぼんやりと見る。
付き合う前、付き合った後。結局良く見たらアキラの写真はとっても沢山あって。
私はどうしたらいいんだろう、夏以降は、何度スライドしてもずっとアキラの笑顔がそこにあって。

先生への気持ちも結局殺しきれていない、けれど、

タツキ先輩、朴、泉…そして、先生。
(みんなと、思いっきり笑うアキラが見たい。)

じゃあ、アキラと付き合うべき?それとも、リセットするべき?
私が頭を抱えていると、携帯が鳴った。
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