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深海のリトルクライ(アルスマグナ/九瓏ケント)

第9章 沈む、沈めない、沈む



「…にしても、ほんっと綺麗!」
私の事を見て、キラキラと目を輝かせて朴は笑う。
嘘やお世辞の言えない朴に言われると、悪い気はしなくて。私は素直にありがとうという。
「…ここだけの話なんだけどね。」
朴は私にそっと耳打ちをした。

「アキラ先輩、本当に先輩の事が大好きで、部活のときも、登下校のときも、会う度先輩の話するんですよ。」
「…本当に?」
「ほんと!ちょっと悔しい位ですもん」
「なにが?」
「部活動であれだけ一緒にいて、色んなこと一緒に乗り越えて来た僕でも見た事無いような、色んな顔であずさ先輩のこと話すから。」
「…」
「でも、ちょっと嬉しいんです。」
「?」
相変わらず脈絡の無い朴の話だけれど、聞き逃さないように、息をのむ。
「知らないかもしれないけど、付き合う前からいーっつもアキラ先輩、スケボーで帰ってく先輩の事見てたんですよ。」
「あー、たまに2階から声かけてくれてたもんね。」
「ちがうちがう、声かけてた日以外も。」
「え?」
「でね、そんとき、アキラ先輩…」


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