第4章 混ざり合って、紫
「明日から夏休みだけど!宿題もちゃんとしなさいよみんな~」
うだるような夏、
期末テストを越えた私たちは、夏休みの目の前に立っていた。
勿論夏も仕事や部活があるとはいえ、先生もわくわくは同じのようで、ホームルームも手短に終わってしまった。
「んじゃ、日直よろしく!」
「きりーつ」
いつも以上に明るい先生の声で、日直が挨拶を促す。
「さようなら~」
夏休み前日ということもあり、みんなも浮き足立っているようで、我先にと教室から出ていく。
(あの泉ですらちょっと速足。)
そうか、部活もやっと再開だもんね。
私はそれを他人事のように見つめながら、荷物を纏める。
「」
「んあ、アキラ。」
「相変わらずおめー間抜けな返事すんなぁ。」
テスト後だろうがなんだろうが、我先に教室から飛び出して部活に向かうはずのこいつが
私の席の前に立ちはだかった。
期末テストを終えて、ひとつ変わったことと言えば、
「明日、どーする?」
"お試し"の恋人が出来た、ということぐらいだろうか。
*