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深海のリトルクライ(アルスマグナ/九瓏ケント)

第3章 寂寥の青と純真の赤



♪~

驚いて顔を上げると、ローテーブルの上で携帯が光っていた。

「…?」

トークアプリのポップアップには、神生アキラの文字が。

『今日、ごめんな。』

気にしないで、とでも言いたげな、彼らしいさっぱりとした一文。
大丈夫だよ、もおかしいし、どうしようかと思いながら、アプリを開く。
その瞬間だった

Trrr…

着信音が鳴り、私は驚いて通話ボタンを押す。

「え?もしも、し?」
「ごめん、既読ついたから…つい…。」

暫くの沈黙を破ったのは、やっぱりアキラの方で。

「好き、なんだよな、先生の、事」
「あ、と…そう…いうこと、だね…」

「…だ~っ…無理。会おう。いつもの公園。まだ門限越えてないし、ちょっとでいいから。」

口早にそれだけ言うと、じゃ、と短い挨拶を残して、電話は途絶えた。

「ちょっと、アキラ?あき…」

通話の終わった携帯の画面を一度見て、私は小さく息をついて、そのあたりに適当に置いてあったパーカーに袖を通した。

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