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残酷な世界には

第2章 生き延びなきゃ


アルミンに連れられ、多くの人々の間を歩く。
こうして見ると、よくこんなに多くの人が逃げてこれたなと思った。そして、その顔には絶望という表情が刻まれていた。

「…アルミン?どこまで行くの?」

しばらく歩いてもなかなか止まらないアルミンの背中を見て、私は彼に聞いた。アルミンは人々の間をくぐり抜けながら慌てた口調で言った。

「ごめん、もうすぐだから!…困ったなぁ、来るときはこんなに人いなかったのに…」

「…そっか」

その言葉に無意識に下を向くと、不意に強く右腕を引かれた。

「っわ!?」

「あ、えっと、ごめん…」

突然の出来事に声を上げてしまい、アルミンは申し訳なさそうにぱっと手を離した。
そんな彼を見てなんだか申し訳ないことをしたなと反省する。

「はい、着いたよ。…エレン!ミカサ!連れてきたよ!」

アルミンは向こうへ向くと、屋根の下にいる少年と少女に声をかけた。
良く見ると、2人とも目を腫らしていた。
それだけで、私は2人に何が起きたか悟ってしまった。

「遅かったな。大丈夫…だったか?」

「ちょっと人が多くて大変だったけど、大丈夫。…で、この子が言ってただよ」

エレンという少年は立ち上がりこちらへ来た。それに続いてミカサという少女も来る。
アルミンの言葉に2人の目が自分に向けられる。
何か言わなきゃ、と思い口を開こうとするがうまく言葉が出ない。

「ふうん…オレはエレン・イェーガー」

困っているとエレンが興味無さそうに鼻を鳴らしてからぶっきらぼうな声で言った。
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