第2章 生き延びなきゃ
そういえば、昨日叫んでいたエレンというやつはどうなったのだろうか。
パンを一口食べて考えた。
まあ、アイツは死にそうにないけど…
…なんてね、誰がいつ死ぬなんて誰も分からないしな。
「あれ…?」
「え…?」
不意に名前を呼ばれ、驚きつつも顔を上げる。
そこには、昔から知り合いのアルミンがいた。
「やっぱり…良かった、ちゃんと逃げられたんだ」
「アルミン!」
彼の名前を呼びつつ立ち上がった。
最近会っていなかったが、変わっていないようで安心した。
私の声に母も振り向き、同じように顔を綻ばせた。
「アルミン、無事でよかった…」
「おばさんも、ご無事で何よりです」
アルミンは軽く頭を下げ、私の方に向き直った。
「、ちょっといいかな」
「え…、うん」
真剣な表情で言われ少し動揺する。
返事をすると口元が緩み、私の手を引いて歩き出した。