第2章 ギョンス
花々の香りに包まれながら、華奢な背中に腕を回した。
急に彼の両手が私の頬を包んで、柔らかい唇に呼吸を遮られる。
何かの糸が切れたように、少し荒々しく、でも優しく舌を絡ませてくるのを、受け入れていく。
彼の左手が私の胸を優しく撫で回すと、喉の奥から甘い声が漏れてしまう。
「ヌナ…声、もっと聴かせて……」
耳元で囁かれるだけで、もうどうにかなりそうだった。
ギョンスが欲しくて溢れている場所を、爪を綺麗に手入れされた指でゆっくりと掻き回されると、体が小刻みに跳ねてしまう。
堪らなくなって彼の熱い物に手を伸ばすと、そこはすでにとろとろと濡れていて、その少年のような顔にそぐわない男らしい存在感を放っていた。
「ヌナの中に入りたい…」
私の中を確かめるように泳いでいた指をゆっくりとひき抜くと、太く聳え立つその先端を当てがる。
「…いいよ…入って………あ…っ!!」
心地よい圧迫感と共に、彼の存在が私を一杯にする。
「あ………ヌナの中…………溶けそう…」
ゆっくりと腰を動かしながら目を閉じて私を味わう彼の顔を、朝の光の中で目に焼き付けようとする。
この瞬間をいつでも取り出せるように…。
それでも彼は快感の波で私の意識を薄れさせてしまう。
快感の絶頂とともに、私はまた意識を失ってしまうかも知れない。
次に目覚めた時に、天使は横にいるだろうか。
また、夢の中で天使の子守唄を聞くことができるだろうか。
薄れていく意識の中で、ギョンスの背中に羽根が見えたような気がした。
〜end〜