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KISS&HUG&EXO

第1章 セフン


セフンの暖かい胸の中で、久々の安心感を覚えた。
どのくらい抱きしめられていたか、時間の感覚を失うような不思議な気分だった。





「ヌナ…?」





セフンが、沈黙を破る。

「……なに?」





「キスしたい」




「ここで…?」
「だめ?」




「だめ…でしょ…」



「したい…」
私を抱きしめていた腕をゆるめて、わたしの顔を覗き込む。

思わず覚悟して、目を閉じる。






「嘘だよ、しない。」






「え…っ?」

拍子抜けして目を開くと、
目を細くして笑う彼の顔がそこにあった。
その瞳の奥には、暖かい優しさがあるように見えた。



「目を見て言わせて?ヌナ」



彼がわたしの背の高さまでかがんで、顔を覗き込む。
恥ずかしくてどうにかなってしまいそうだ。





「僕と付き合ってください」





頑張って彼の目を見て答える。




「………はい」





その瞬間、不意をつくように彼が私の唇を奪った。




「…………っ!!」




その甘い感覚に、思わず溶けてしまいそうになる。
愛される感覚を、久しぶりに感じた。


軽く触れただけの唇がゆっくりと離れて、またすぐに重なった。

抱きしめる腕に力がこもって、すこし苦しい。
少しずつ深く重なる彼の唇に抵抗できない。





街灯の光も届かない路地で、彼の愛に深く溺れていく。

こまま抜け出せなくなってしまうかもしれない。
だけど、この真っ直ぐな青年に、自分の人生の一部を任せてみても良いかもしれないと思った。

次に唇が離れたら、私から目を見て言おう。






「好き」






〜end〜
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