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ありふれた世界で【東京喰種】

第2章 姉と弟








「──店長・・・なんであんな奴に・・・」

彼が帰った後、不満げに言うトーカちゃん。

「・・・・・・トーカちゃん」

「最近あった臓器移植事件のニュース知ってるかな・・・・・・?」

「・・・・・・?いえ・・・詳しくは・・・」

トーカちゃんは唐突な店長の話に理解が追い付いてないようだ。
店長はすべてお見通しのように私の方をたまに見てくる。店長は私と彼の関係・・・いや、私の出自さえも知っているのかもしれない。

「──あの事件の発端は・・・二人の学生が犠牲となった鉄骨の落下事故。片方の女学生は即死・・・もう片方の青年は瀕死の状態で・・・彼には緊急で臓器の移植が必要だった。」

「そこで医師が独断で即死した女学生の臓器を使ったんだけど・・・どうもその臓器が・・・リゼちゃんの臓器だったらしいんだ」

リゼさんの名前が出てきて驚くトーカちゃん。

「リゼ!?あ・・・あいつ死んだの・・・?事故なんかで?」

「"喰種"の再生能力でも追いつかない程の重症だったんだろう・・・・・・そしてリゼちゃんの臓器が使われたってことは・・・」

「・・・・・・"喰種"の臓器を移植された人間がいる・・・?」

ようやくトーカちゃんの頭の中で彼と今回の臓器移植事件が結びついたらしい。

「店長・・・あの眼もしかして・・・」

「・・・ああ、彼だ。──こんなケースは私も初めてだが・・・もしかすると彼の身体は"私たち側"に近づいているのかもしれない・・・」

『いえ、店長にとって彼のようなケースは始めてではないはずです。』

「は?あんた何言ってんの・・・?」





『だって私も彼と同じようにつくられた元人間の喰種だから。』











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