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ありふれた世界で【東京喰種】

第2章 姉と弟







廊下を歩き終わり、新しく与えられた机に書類をひらげ書類整理を淡々と終わらせていく。




先程の話のように、篠原さんの話のように私はペアの子が亡くなった為ともに行動する者がいなくなった。
そして、新しいペアの子ができるまで私は真戸さんと亜門さんのところへお世話になることになったのだ。

そして、今日はその書類整理に追われることとなっている。

前の子はそこまで用心深い子ではなかったが、あの2人・・・特に真戸さんには気をつけなければならない。

そんな思考が頭の中に回りながら、デスクワークを続ける。







知らずのうちにお昼になっていたようで皆、それぞれ立ち上がりご飯を食べに行ったりしている。
今日は特に誰かと一緒にいるわけでもないしご飯を食べる振りをしなくてもいいだろうと思っていた矢先・・・。

「夏菜、飯はすんだか?」

突然声をかけられ振り返ると朝出かけていったきり帰ってきていなかった真戸さんと亜門さんがいた。

『いえ、まだ。』

誰かに自分の様子を見られている可能性も無いとは言えないので正直に答えた。

「それなら良かった。二人で今から食堂で飯を食うんだが一緒にどうだ?」

『・・・じゃあ、お供させて頂きます。』

まさかの事態に陥ってしまった。
このまま断ればチームとしての信頼も得られない。
しかし、この二人の前で食べるのは・・・。
そんな思いもありながらもやはり信用を勝ち取らねばここではやっていけないと思い、了承した。
今まで何回だってやり過ごしてきた自分を信じて・・・。

「朝霧君、そこまで気を張らなくてもいいんだよ。」

『え・・・。』

思わぬ言葉に驚く私

「もう君は我々の仲間だ、腕前は知っているよ。素晴らしいクインケさばきだときいている。どうだい、少し語ろうじゃないか。」

「真戸さんがそこまで言うなんて珍しいですね。それ程までに夏菜の腕前はすごいんですか・・・!」

『いえ、そんなことは。ただ毎日必死に喰種を討伐しているだけですよ。』

「まぁ、そんな話は食堂で話そう。」

『私も真戸さんと亜門さんの話を聞いてみたいです。』





そう言って彼らにとっては至福を癒す場でもあり私にとってはあまりいて心地の良い場ではない・・・ある意味死を覚悟しなければいけない食堂へと向かった。






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