第1章 彼等がやって来た
「さて、答えてもらおうか」
「はい …って、理彩
何で私の後ろに隠れてるの?」
「だって、なんか怖い…」
「理彩その言い方は失礼でしょ」
「だって…」
「すみません、皆さん」
「いや、大丈夫だ」
それならいいんだけど…
「さて、一つ一つ整理していきましょうか
何か聞きたいことは?」
「ここはどこッスか?」
黄瀬が警戒した目で私を見てくる
「ここは東京です」
「そうなんだ…
でも俺達こんな場所知らないんだけど」
「…何が言いたいの」
「君が俺達をここに連れて来たんじゃ
ないかって思っただけッス」
「…そう」
疑う気持ちは分かるけど
勝手に疑われちゃ気分悪い
「ごめんなさい、1つ質問いいですか?」
「何だよ?」
「貴方達はここに来る前何をしてましたか?
そして何がありましたか?」
私の質問にそれぞれ顔を見合わせる
「俺達秀徳は自主練が終わって正門を
出ようとしたら意識が無くなったのだよ
…目を覚ましたらここにいた」
「ボクは火神君と部活終わりにマジバに
いました 一瞬目眩がして気づいたときにはここに…」
「俺も部活終わりに家に帰ってたッス
一瞬辺りが眩しくなって目を瞑った…
目を開けたらここにいたんス」
「俺は部活が終わって帰ってたんだけど
急に頭が痛くなって意識がなくなって
目が覚めたらここにいた~」
「ああ、俺も部活中に意識がなくなってね
目が覚めたらここにいたよ」
皆部活終わりに意識がなくなって
目を開けたらここにいたのか…
「ああ、そうだ 一応誤解がないように話しておくけど、私が目を覚ましたら貴方達がここにいたからね 他に聞きたいことは?」
「…貴方はボク達のこと知ってますか?」
「どうして?」
「貴方は急にボク達が現れても
全く驚いていないように見えました 最初
からボク達の事を知っているかのように」
…さすが、人間観察が趣味なだけある
「やっぱりあんたが俺達を!」
「ごめん理彩、少し離れてくれる?」
「えっ、ああ…」