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『歌い手』歌音学園・特別寮。別名【歌い手寮】

第1章 ~*入園*~


「雨宮さん、今からすることを必ず覚えてください。」

唐突にそう言われた。

私はなにをするのかと緊張して、コクンコクンと二回も頷いてしまった。
女の子はブレザーの胸ポケットの中から何かを取り出した。



鍵だ。
焦げ茶色の鍵。


すると、女の子はその鍵を、エレベーターの真横に設置してある機械にかざした。

エレベーターが開く。
なるほど、ボタンの代わりに鍵なのか。と感心していると、女の子はすでにエレベーターに乗っていて、「早く乗ってくださーい。」と完全に棒読みで呼びかけてきた。

私は「す、すみませんッ…!!」と言ってエレベーターに乗り込む。
ていうか、こんなことしてていいのかな……
入学式とか大丈夫なのかな……

そう思っていると、ガタンッと音がした。
目的の階についたようだ。
扉が開く。







バァン!!バンバァン!!!!!

激しい音に圧倒されて、エレベーターから一歩出していた足を再度エレベーターの方へ戻す。
だけど、後ろには女の子がいて、背中を無言で押される。

私は「え?えぇ??」とテンパるわけで。


目の前には、大勢の人と、豪華な部屋。
それはそれは大豪邸の大家族的なあれみたいで。

するとこの部屋の一番奥のほうから声がする。

その声は、私に話しかけた。




「ようこそ、特別寮へ。歓迎するよ〜、雨宮レイちゃん。」

なんのことだかさっぱりだ。
朝から考えさせられる。


と思っていると、先ほどの女の子が部屋の真ん中の豪華な椅子に腰掛けるよう言ってきた。
他の誰だかわからないここの人たちもそれぞれソファに座ったり、地面に座ったりとフリーダム。
私は渋々、豪華な椅子に腰掛けた。

すると沈黙が走る。



この環境は気持ち悪いと思っていると


「はぁぁぁい!!!☆そんなに畏まらなくてもいいわよぉぉん?可愛子チャーン♡」

先ほど私に話しかけてきた奥に座っていたはずの男性が、いつの間にやらこちらにきていて、意味不明言語を話し始めた。

いや、私にだけは意味不明言語にしか聞こえなかった。
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