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【ガイ】あの日のキミは【NARUTO】

第4章 ++たくさんの不安に堪えていた++


「これ…もし良かったら、御守りにして」

そう言ってアレスが手渡してきたのは、親指大くらいの小さな巾着だった。

「これは?」
「中身は薔薇の種なんだけど、私のチャクラを吸って付いた実だから」

ここぞというときに発揮する、夢野一族の隠し弾だと言う。

「きっとガイの役に立つはずよ」
「有り難くもらうぞ」

巾着の紐部分を、腰の額宛てに括り付ける。
そしてオレはゆっくりと立ち上がると、アレスの頭をポンと叩いて笑って見せた。

「それじゃ、行ってくる!」
「いってらっしゃい」

アレスが笑顔で送り出してくれた事に安堵し、オレは班の集合場所へ跳ぶ。

里の景色が夕暮れに染まるのを横目に、オレは、オレの忍たる信念を振り返った。

忍の生き様は、死に様で決まる。
青春の最高潮は、命を賭して戦う時。
オレは、忍として、最後は戦場で死にたい。

この気持ちを、アレスに理解させようとするのはあまりに酷だろう。

「オレは、結婚してはいけない男だったのかもな」

呟いて、自嘲する。

「…青春は、死ぬまで終わらないさ」

そうだ。どこまでも生にしがみついて、生き残ってやろう。
アレスの為に、生まれてくる我が子の為に。

「いくぞ!青春フルパワーだ!」

自分を叱咤してスピードを上げる。そうして到着したオレは、「暑苦しい」と部下たちに言われるのだった。


これは──

忍としての性に悩まされる話。

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