第1章 ++いつもオレを求めていた++
久方ぶりに里に帰還した仲間を労う場にて。
「えぇえええっ!!??ゲキマユ先生が結婚したぁーっ!!?」
うずまきナルトが驚愕の事実に大声を上げてカカシを見た。
「…エロ本ばっか読んでっから…」
「何が言いたいの、お前?」
「だって、だってよ!?女っ気の無いゲキマユ先生に先越されるなんて、カカシ先生がムッツリスケベから真性の変態だって里内に浸透し切った証拠だってばよ!」
「はははカカシィ!弟子に言われてちゃお終いだなぁっ!」
うなだれる銀髪をワシャワシャと掻き見出しながら、オレは豪快に笑った。
テンテンには過去に『ルックスではガイ先生の完敗』とまで言われた事もあるが、男は顔よりも中身なのだとオレは証明してみせたのである。
The既婚。妻帯者。
この言葉がカカシに対するオレにここまでの優越感を齎すなど、独身の頃は思いもしなかった。
「ねーねー!ゲキマユ先生の奥さんってどんな人?」
ナルトが興味深そうに問うて来る。
オレは顎をさすりながら、アレスの顔を思い浮かべた。
「そうだなぁ…料理が上手くて、努力家で…とにかく笑顔が可愛いのだっ!」
「やだ、先生ってば酔ってるのー?」
離れた席からのろけないでよね…とテンテンがツッコんでくる。