第4章 傘崎りんご。
「おい。」
「な、なに?」
昼休みはあと何分くらいだろうか?と思い、自分の携帯を見る。
12時30分かぁ…。まだあと少しあるか。
「その、ご、ごめん。」
「ん。べ、別にい、いいよ。」
「あぁ、ほんと悪い。」
「もういいって。」
俺は謝ってからふと思い出す。
「あ、そういえばさっき、夢野咲実って子が来たけど…、お前、知り合いか?」
「えー?誰それ?知らなーい。」
「あぁ、そうか。」
あの子はなにがしたかったのか俺には全く分からな
かった。と、そこにまた誰かが来た。
「あ、あの…。」
「あの…、BL研究会に入っていただけないでしょうか?」
「え!?嫌よ嫌よ!!あたしはゼッタイはいんないからね!」
「俺は入る!」
でもなんで急にこんなことを言ってきたのか俺にはまったく分からなかった。しかし、いい機会だから入る。だが、琴音はどうするのかが問題だ。仕方なしに俺が入るのを辞めるか、それとも説得して琴音を入らせるか…。
「で~、入んの?」
びっくりだ。キャラ変わり過ぎだろこの人。さっきの緊張はどこに行ったんだ?、どこに飛んで行ったんだ?
「おっとー、自己紹介まだだったね!傘崎りんご!それが私の名前だッ!こんな研究会に誘っているんだからもちろん!腐女子でーすッ!!」
「あ、あたしは都原琴音。べ、別に入ってもいいんだけど、絶対絶対絶対絶対絶対絶対ぜぇぇぇーーったいにBLなんか好きになんないから。そこんとこよろしく。」
「俺は桜田唯斗だ。BL大好きだ!それと…、みんなからは腐男子と呼ばれている!よろしくなっ傘崎!」
「よし!じゃあ今日の放課後また会おうねッ!昇降口の所で待ってるからッ!まッたねーッ!」