第3章 夢野咲実。
その日の昼休み。
俺はいつも行っている屋上に居た。
そこに琴音は居た。
いつも俺が座っているところに居た。
迷わず話しかける。
「あ、あの…」
俺が話しかける前に後ろから話しかけられた。
琴音ではないヤツに。
だ、誰だ???
「あ、あの…、さ、桜田くん…。」
「ん?あ、あなたは?」
「あ!わ、私、夢野咲実です。同じクラスです。」
「そ、そうか。なんか用か?」
「あ、す、すみません…。な、なんでもありません…。」
夢野さんなんてクラスにいたかなぁ?
初めて見たかも。
いやいたかな…。
まぁいいや。どうしたんだろ?琴音の友達なのか
なぁ?
「す、すみません。では。」
「おい!」
俺は叫ぶ。いや叫んでないか。
「は、はい、なんでしょうか?」
「夢野さんって琴音の友達か?」
「いや、ち、違います!」
「そ、そうか。じゃあさっき俺に話しかけたのは?」
「い、いや。わ、私…。し、失礼します!」
「あっ…。」
ど、どうしよう!もうなにやってんのよ私!好きですって言わなきゃ!
私は夢野咲実。桜田唯斗くんに片想い中。でも、いつも一緒にいる都原さんって桜田くんの彼女なのかな?どうなんだろう?