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糸車

第4章 存在


彼女の体は猫の子のように温かかった。
僕にぴったりと寄り添って、彼女は僕の手を握る。
腕枕をしてやると、嬉しそうに僕の腕に頬ずりをした。

ちょうど僕の唇の前にあった彼女の額に口づけを落とす。
指通りのよい髪を手櫛ですいた。
彼女はふふ、と照れ笑いをした。

恋人に添い寝をしてもらうとは、やはり幸せなことだ。

「…半兵衛様あったかい。」

眠たげな声で、彼女が言った。

「僕はてっきり君が温かいと思っていたよ?」

「どっちの体温か、わからないですね…。」

「そうだね。
もう眠いんだろう?眠りたまえ。」

うう、でも、半兵衛様が…とかブツブツ言いながら、僕の腕のなかで彼女は穏やかな寝息を立てはじめた。

長いまつげが影を落としている。

ふっくらとした唇に口づけたくなったのを、必死で耐えた。



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