第4章 存在
寝具を整え終えた彼女に促されて横たわる。
気づけなかったこと、叩き起こしてしまったことを彼女はひどく後悔しているようだった。
「半兵衛様、本当にごめんなさい。」
もう何回目になるんだか。
枕元に正座して、シュンとして縮こまっている彼女の手を握る。
震えてるように感じて、そっと顔を見ると、若干涙が目に浮かんでいた。
「申し訳なく思ってくれているのは十分伝わったよ。
だから、安心したまえ。」
そう言うと彼女は返事をして、目をこすった。
「その代わり、一つお願いしてもいいかな。」
病床に臥す、とは退屈で、つまらなくて、考えなくてもいいことも考えてしまうから。
「…ずっと、ここにいてくれないか?」
「………へ?」
「退屈なんだ。
僕が治ったら、どこに行きたいかな、なんて、話し合わないかい?」
笑って見せると、彼女も笑ってくれた。