• テキストサイズ

糸車

第1章 幸せ


「あと少しなんだ。」

腕の中の彼女を見つめて、僕は言った。

「もうすぐで、僕と、そして秀吉の夢は、叶うよ。」

「半兵衛様…。」

僕の胸元に顔を埋めた彼女の温かい吐息が、服越しに伝わってくる。

「半兵衛様。
お二人の夢が叶ったら…」

「うん?なんだい?」

「もう少し、私と一緒にいて頂ける時間が増えますか?」

それはあまりに慎ましく、それでいて彼女の1番の願いに違いなかった。
それもそうだ。
奥州、四国、安芸、小田原…
僕は彼女を放っておいて、色々なところを飛び回っていたのだから。

「そうだね。
そうしたら、嫌になるくらい一緒にいてあげよう。」

そう言って彼女の髪に口付けると、彼女は嬉しそうに笑った。
思わずそのまま押し倒してしまいたい衝動に襲われたけど、まだダメだ。

「明日は…九州だ。
そうすれば、日の本は、統一されるよ。」

明日までは。
明後日、ここに帰ってきたら、いっぱい彼女に口付けて、抱いてあげよう。
まだ、気を抜いてはいけない。

「明日に備えて、今日はもう寝よう。
君も、明日に響いてしまう。」

僕は彼女を部屋に送って、そのまますぐに寝た。


/ 42ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp