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糸車

第3章 綻び


「………、…べ…さま!」

誰かが僕の体を揺すっている。

「…え様!…!」

脳を揺らされるような大きな声。

「……さま!…!」

やめてくれないか!と叫びそうになった時、僕ははっとして目を開けた。

彼女だった。

「半兵衛様!朝ですよ、起きてください。」

深夜と早朝の狭間ごろにやっと眠ったからか、あまり気分がいい目覚めではなかった。

だんだんと現実を取り戻していく途中で、やはりあの怠さは取り除かれていないと気づいた。

「…半兵衛様?体調はいかがですか?」

当然治ってなんかいない。
寝不足も加わって、体は重く、頭が痛い。
ごめん、今日もダメみたいだ。
そう言おうとして、彼女の顔を見る。
彼女は笑っていて、それはまるで僕に正反対の答えを求めているように見えた。

キラキラした目で問う彼女には、模範解答を答えるしか無いようだった。

「あぁ、大丈夫だ。
もう治ったみたいだよ。」

無理やり頬を引き上げて、笑みを作る。
それすら、今の僕の体には応えた。

「そうですか!本当によかったです!
寝具を片付けますから、起きてください。」

「……あぁ。」

上体を起こすと、鈍器で殴られたかのような重く鈍い痛みが頭にやってくる。
脳を直接締められているかのようだ。
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