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結婚するまで sex しません

第22章 卒業


「とうとう卒業だね」

「うん」

手を繋いで帰り道を歩く。

「ていうかクラスの人いないですよね?」

彼が周りをキョロキョロする。

「みんな知ってるよ。私たちが付き合ってるって」

「だとしても…手を繋いでいるところを見られたりしたら! 明日からどんな顔して学校へ行けばいいんですか」

手をさりげなく引っ込めようとしながら彼が言う。

離さないように、私はぎゅっと彼の手を握る。

「どうせもうちょっとで卒業しちゃうんだから」

「そんなこと言われても…」

彼がまだ何かゴニョゴニョ言う。

2年のとき、文芸部の後輩にキスしてるとこ見られちゃった気がするんだけどな。

そんなこと思い出したら余計照れちゃいそうだから言わないであげようっと。

「春休み、どこ行こうか」

「うん、ふふっ…」

私の問いかけに、彼が含み笑いをする。

「なんで笑ってるの?」

「楽しみだから」

「ん? どこ行くのが?」

「行くんじゃなくて…来てくれますよね? 僕の部屋に」

「何考えてるの? やらしい」

「ふふっ」

彼の横顔を盗み見る。
うれしそうな顔してる。
そんな顔を見ると私もにやけちゃう。

「ずっと一緒だね」

私は彼の横顔に言葉を投げかける。

「ん?」

「春休みも、大学も。その先も…一緒だよね?」

「うん」

立ち止まり、少し見つめあう。

ここが道の真ん中じゃなかったらキスしちゃいそう!

なんか急に恥ずかしくなって、私は繋いだ手を離す。

ぎゅ

彼に手を握り返される。

「……」

私は繋いだ手を来た道の方向に引っ張る。

「やっぱりあのパン屋さんのメロンパン食べよう」

「えっ、もうあのパン屋通り過ぎましたよ」

「あのパン屋さんに寄り道出来るのも、もう残り少ないんだよ。私、後悔したくない。行こう!」

「僕、そんなにお腹空いていないんですけど…」

「じゃあ走ろう!」

「えーっ?」

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