第2章 安易な約束はするべきではありません。
「うるさいよ!!あんたも、ウダウダ言っていないで早く帰るよ!!」
「やだし~!!昴琉といる~!!」
さすがに、この状況はまずい。
「あ、あつし君!!」
大声のあつし君の声に負けないように声を張り上げる。
「な、な~に?」
その声に気付いてくれたのか、涙をぬぐいながらこっちを見てくれた。
「あつし君。きょうで、おわかれやないんやで?あしたもあさっても。ずっといっしょなんや。」
「ずっと?」
「そうや。ずっとや。やからな、きょうはさよならや」
「わかった。ずっといっしょ」
涙をぬぐい、私にギュッと抱きついた。大きなあつし君を受け止めるには私は小さすぐて、倒れてしまったが、嬉しそうにするあつし君に何も言うことはできなかった。
「ははは。子犬がじゃれてるようだね。この我儘坊のことこれからよろしく頼むね」
そう、あつし君のお母さんから言われた。その時は頷いたが、これから続く長い幼馴染との付き合いのことを考えると、安易に返事をするべきではなかったかと今更ながら思ってしまう。