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【ハイキュー短編集】俺達はまだ若い

第8章 【日向翔陽】天才と太陽


何だこの明るさは。さっきまで寝まいと目を擦っていたように見えたが、話を切り出した瞬間、その大きな瞳を精一杯に開いて喜んでいた。自分のことのように。そういうとこ好きだなぁ、もちろん友達として。

「で、何があったの」
「……話し長くなると思うから寝ないでよ?」
「!?……わ、わかってるよそんなこと!!」
「ならいいけど……」


「あの、実は私……




影山と一緒の中学生、北川第一だったんだ。勿論部活は女子バレー部。男子と同じで強豪だったと思う。男バレとは違って結構チームワークも良くってお互い信頼し合った、団結力の高いチームだったの。

でもね、ある日、部活を休みだした先輩がいてね、原因が私だったらしい。理由は単純にレギュラーになれなかっただけ。あっちからしては凄く悔しいし辛いと思うんだけど。私が直接このことについて話した時も『ちょっと上手いからって調子に乗るんじゃないわよ、アンタみたいな奴うちの部に必要ないんだから』って言われてすごくショックだった。


それから先輩達が卒業して3年生になったある日、私が主将を任された。素直に嬉しかったか。あんな事があってもバレーもこの部も大好きだったから。でも、それから、部活を続けていくうちに退部者が増えるようになった。しかも、同級生達。


それもまた原因は私らしい。なんか知らないけど練習がキツイって言われた。そりゃ、部長が変わったから練習メニューは少し変わるかもしれないけど、別に練習がキツイのは当たり前だし、対して内容は変わってないよ。だから意を決して聞いてみたの。

『どうして、練習やめるの?!ここまで一緒に頑張ってきたのに、私達仲間だよね?』

って言ったの。そしたら

『そうだね。でも、どんなに練習したって県一番の強豪には勝てないし。大体天才一人居たって勝てっこないんだから』

それを聞いて妙に天才って言葉が引っ掛ったたら『天才って誰よ』
って聞いてみたの。で、返事が

『は、ふざけてるの?のことに決まってるでしょ?私が下手だからってバカにしないで!!アンタと私等は違うの。平民と王様ぐらいの差はあるかもね。上手いからって調子に乗ってんじゃねーよ。』


そのセリフを聞いた瞬間その子が先輩と重なった。

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